関が原の役前夜、伊達と上杉が鎬を削る東北の国境。伊達は、西国牢人・赤座刑部に不落の帝釈城を築かせていた。――単身、この城を乗っ取ろうと狙う男がいた。上杉方・佐竹家の臣・車藤左である。敏捷な身のこなし、行動力にすぐれた男。加勢するは、銭愛好家、境商人、巫女。一匹狼・藤左は敵の核心に迫った……。戦国乱世に生きた日本人を描く痛快時代小説。
注:この小説の主人公は車藤左であるが、この作品を原作として作成された映画「城取り」では前田慶次郎が主人公となっている。この映画「城取り」に隆慶一郎氏がシナリオ作成に携わっており、後の「一無案風流記」を執筆する原動力ともなったとも言えよう。そういった意味で、この書庫にて「城をとる話」を紹介しておきたい。
作成:2003/03/11